甘いキスの魔法
優を預けてから、学校に行くと昇降口のところに見たことのある顔がみえた。
下駄箱に寄り掛かりながらポケットに手を突っ込んでマフラーに顔を埋めた、宮崎…先輩。
周りの女の子たちが皆、みてる。
「……はよ」
「…お、おはようございます。」
先輩は私の方を見て
昨日さ、とつぶやいた。
先輩は自分が見られていること、気にならないのかな。
「………美味しかった、よ」
「………何がですか?」
なんとなく、顔が赤くなった先輩はマフラーを巻きなおし顔を隠した。
そして、お菓子、と言われあたしはようやく理解する。
「それはよかったです。」
笑顔でいいながら先輩の横にある下駄箱の扉を開け、靴を取り出す。
取り出したときに、
ひらり、と一切れの紙が落ちた。