甘いキスの魔法





「何?…これ………」









私の靴箱から落ちたその紙を先輩が拾う。













先輩はまじまじとそれを見つめる。









「あ…、だめです!」












ぴらっと先輩の手からその紙を奪っていつも通りクシャクシャに丸めポケットに突っ込んだ。









見られちゃった―――かな、







結構内容は酷かったからあんまり見られたくなかった。









「…なんでもないですから。」









そう無理矢理作った笑顔を向け先輩に背を向けて行こうとした。











けれど……突然、その腕を取られる。












なんですか、とあたしが言う前に先輩は












「……ちょっと。」









そういいながらあたしの手を引っ張り近くの空き教室に入った。
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