甘いキスの魔法








「………あのさ」










中庭に連れて来られたあたしは少し離れて、立ち止まる。









「好きなんだけど…
 付き合ってくれない?」







顔を真っ赤にしながら告白してくれる男の子。










きっと…相当緊張してるんだよね。








緊張するまで人を好きになるって、どういうことなんだろう。







気になる。






でも……それでも、あたしはあなたを好きになれない。








「ごめ…」





そうあたしがいいかけると男の子はストップをかけた。









「返事は…いまじゃなくても…」


「……だめ。」






急にあたしでも無く、目の前にいる男の子でもない声がして振り向こうとすると誰かに引き寄せられた。
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