甘いキスの魔法
「――梨音っ!」
教室で待ち構えていたのは唯だった。
「は、はいっ」
びくびくしながら返事をすると唯は
「……何あれー」
とさっきのようにあたしのほっぺを引っ張った。
「ひぇ?…ひゃにがれふか…」
と唯に尋ねると唯は真面目な声で言った。
「…いつから
男の子平気になったの?」
イマイチ、話しの内容がつかめてないあたし。
目をぱちくりとさせると唯は
「ま、いいや。
とりあえず音楽、音楽〜っと」
と、あたしのほっぺが解放される。
今日はよく意味がわからない日なのかもしれない。