甘いキスの魔法
「準ちゃん」
音楽の時間。
前にいた準ちゃんこと、
橋岡 準(はしおか じゅん)
に声をかける。
「………ん?」
準ちゃんが振り向く。
「ちょっと……ごめん」
準ちゃんの肩を軽く叩いてみる
………だ、駄目だ…やっぱり…。
「…なに?天野。」
「あ、えっと…男子が触れる
ようになったかな、って。」
さっき…唯にいわれた言葉が気になって男の子に触れてみる。
「……それ、結構ショック。」
「え、うそ!ご…ごめんなさい。」
「なーんてな。」
そういって舌を出して笑う準ちゃん。
…準ちゃんは野球部所属で私が…唯一話せる男の子。