甘いキスの魔法
「あの…っ」
梨音の言葉を遮るかのように、コンコン、とノック音が病室に響いた。
驚いて二人で顔を合わせればガチャリと扉が開いた。
「すみません、宮崎さん。…そろそろ面会時間終わりですよー」
用具とともに入ってきた看護師に言われ、
「今のは忘れてください。
今日は本当にすみませんでした。
……では、また。」
最後にそれでは、と付けたしてから軽く頭を下げ荷物を持って帰って行った。
「それでは検査だけしていきますねー
あ、明日からはもう普通に安全に生活していただければ大丈夫なので。」
そういってテープをかえてくれる。
「てことは、フツーに学校行って良いんですか?」
「そういうことになりますねー。
走ったりとか傷口が開くようなことをしなければ、大丈夫です。
あとは、様子見だけしなくてはならないので…通院だけしていただければ…」
………なんだ………良かった。