甘いキスの魔法





出た瞬間、園の外で待っていてくれた宮崎先輩が"ん"と何かをあたしの目の前に差し出してくる。










何だかわからないまま、とりあえずお礼を言って受けとると








「あったか…い」










街灯の光を利用して、見てみると温かい缶の飲み物で、驚いて即座に先輩の顔を見つめる。









ん、とまた顔を傾けて







「嫌いだった?交換する?」







ともうひとつ、手に持っていた缶を見せながらあたしに言う。







「大丈夫です。嬉しいです」
















と大事そうに持つと返ってくるのは優しい宮崎先輩の笑顔。










すると右手にいきなりぎゅっと力が入って、下を見ると優があたしを見上げていた。
< 90 / 97 >

この作品をシェア

pagetop