甘いキスの魔法
出た瞬間、園の外で待っていてくれた宮崎先輩が"ん"と何かをあたしの目の前に差し出してくる。
何だかわからないまま、とりあえずお礼を言って受けとると
「あったか…い」
街灯の光を利用して、見てみると温かい缶の飲み物で、驚いて即座に先輩の顔を見つめる。
ん、とまた顔を傾けて
「嫌いだった?交換する?」
ともうひとつ、手に持っていた缶を見せながらあたしに言う。
「大丈夫です。嬉しいです」
と大事そうに持つと返ってくるのは優しい宮崎先輩の笑顔。
すると右手にいきなりぎゅっと力が入って、下を見ると優があたしを見上げていた。