甘いキスの魔法



「………梨音」




と、優と約束してからすぐに
後ろから声がして、驚いて振り向く。





「ごめん、寝ちゃった…」





とソファーの上で疲れはてた優が、寝ていた。






その上からは、しっかり毛布と布団がかかっていた





「すみません!ほんとに何から何まで…」






お皿に盛ったご飯をおぼんに乗せ、テーブルまで運ぼうとすれば





「俺が、持つよ」






と横から奪われ、さっさと持ってかれる。




お箸を用意して、並べ



「ありがとうございます、
いっぱい作ったので良かったら食べて行って下さい」





宮崎先輩に言えば、







「やった!さんきゅっ!」







と笑顔で言われて、どきっとする。








そういえば、あたし、初めて男の人家にいれた……。




優のせいとはいえ、こんなことになるなんて。






…どうしよう。今さらになって緊張してきた。





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