ブルー
一応、クラリネットを組み立てて、自分の教室においてから、アルトサックスの教室に向かった。


教室に近づくにつれ、楽器の音が聞こえてくる。

…一人しか聞こえてこない。

綺麗な音だ。

これは、多分…。


「失礼しまーす…」


そう言って扉を開けると、案の定まだ教室には空しかいなくて、ばっちりと目が合ってしまった。


アルトサックスの音は、やっぱり空の音だった。




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