トランス!
第1章 優しい風に包まれて…(笑)
『くっ…あ、あと、少し…り、凛!』
「あいつ等…最近人気だな…」
まだ残暑厳しい今日この頃…俺は、いつもと変わらぬ日々を送っていた。
…筈だった。
いつもの様に飯食って、いつもの様に学校行って…と、言う様な、何処にでも在るような日常とは少し…いや…かなり違ったものになっていた。まるで、
ツッコミとボケが逆転した、お笑い芸人のように…な…。
「おにーちゃーん、早くしないと遅れるよー」
「うーーい」
ああ、そうだ…自己紹介がまだだったな。俺の名前は―
「うわぁっ!」
「はよっす!」
「あ、ああ…はよっす」
…えっと…紹介しなきゃ、ダメ?…だよなぁ… あー…こいつはミナミ。少し(?)男っぽいが…まあ、あれだ。その…すっ…スタイルが良いって言うか、グラマラスっていうか…。
「光~?なんか変なこと考えてるっしょ?」
「い、いや?そんなこたないぞ?ハハ、ハ…」
ううっ!さすが、カンが鋭いことで…。
…ん?…あ、そっか!えぇっと、ミナミの言ってた光ってのは、俺の事だ。覚えておいた方が得っちゃ得だな。
「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!!!!!!」
「なげえんだよ!毎度毎度ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「お、おい、ミナミ…」
この、最初の台詞だってのにただ長いだけの可愛そーーーな眼鏡はベルガーだ。たしか…イギリスとのハーフだった様な…あ、あとオタクー―
「ただのオタクじゃ無いぜぃ?」
「おわっ!いきなり入ってくんじゃねえよ!」
「てか、どんなオタクなんだよっ!」
「スーパーウル…」
「ダメオタか…」
「ちっがーーーうっっ!」
あ、あはは、は…。