お前の笑顔(短編)完
入学してから
1ヶ月ほどたって
体育祭という時期がやってきた。
ほんとはめんどくさいけど
お前が張り切ってるから
ちょっとだけやる気でる。
――体育祭当日――
クラスリレーのアンカー
だった俺。
あと一歩
あと少し
俺の足がはやければ
俺らのクラスの優勝だった。
普通にへこんでた
そんな俺にお前わ
心配そうな顔で
「元気だしてっ。4位から3人も抜かしただけで
すごいよ!!」
あ- ほんとは笑ってほしかった。
そんな顔させるつもりなかった。
「さんきゅ。」
そう呟いた俺に
お前はあの無邪気な笑顔で
「どういたしましてっ!」
って。
あー。やっぱこの笑顔がいい。
「お前の笑顔好き。」
何も考えないで
言ってしまった。
どんだけだよ、俺。
恥ずかしすぎるわ
お前は
「なに、それ!
ばかにしてる?笑っ
けどそう言ってくれるなら自分の笑顔も
嫌いじゃないかも」
今度はふわりの照れた顔で微笑んだ。
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