ハルシオンと夏の日
「いい加減にしな!どいせ仮病なんでしょ!」
「仮病じゃない!」
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
「何であんたは前向きに考えられないの!」
「何であんたは学校行けな…」
「あたしだって!」
「あたしだって学校行きたい!」
「笑って過ごしたい!」
でも、出来ないんだよ…お母さん…。
そんな当たり前のことが、もう出来ないんだよ…。

「るなちゃんにこれ…」
ある日いじめてた綾香がアップルパイを持ってきた。
「早く学校来てねってみんな言ってますから」
「わざわざありがとう」
あたしは一口も食べなかった。

「ねぇ、明日から学校行ってみな?」
「やだ…またいじめられるもん」
「あんたはっ…!」
掃除機で背中を叩かれた。
バシ、バシ、バシ、バシ。
「痛い、やだぁ…やめてぇ!」
あたし被害者じゃないの?
どうしてあたしが叩かれるの?

休む日はお母さんがあたしを蹴った。
死にたい…。
死にたいよ…。
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