仮想友達
帰って来ても目も合わせない父親と、
最近非行にまっしぐらな中2の妹とは、
関わりさえない。
煙草を吸っているらしい妹と、辞めさせようと必死な母親の怒鳴り声がドアを隔てた二階の私の部屋まで聞こえてくる。
二人の声だけだから、今日は父親がいないみたい。
…別に興味もないけど。
こんな家庭で育った私を近所の人は、
しっかりした良い娘さんだ、と評価してくれているらしい。
何にも知らないくせに。
小さく欠伸を洩らすと、ベッドに寝転がり携帯を開く。