仮想友達

一瞬だけ申し訳なさそうにした千夏ちゃんも、お気に入りの男の子に歌って欲しいと言われわざとらしく恥ずかしがってから歌い出す。

正直
上手くもないし
下手でもない

「千夏可愛いー!!」

「めっちゃ上手いやん、本物より上手いんちゃう?」

周りの反応にやっと我に帰ると隣に座った千夏ちゃんに笑いかける。

「めっちゃ上手やった。」

「ほんまぁ?ありがとー!歌ってる時緊張しててなぁ、終わったから、も~死にそうやわー。」

手でパタパタと自分の顔を扇ぐその姿は『可愛い』

言うことも
仕草も
表情も

明るくて元気で可愛い。

不器用で人見知りで
生意気な自分とは正反対。

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