仮想友達
「あ…」

手の中で携帯が揺れる

…メール受信中…

その文字に立ち上がるとトイレに行くと言いカラオケの部屋を飛び出した。

私のことなんか誰も見てないから、言う必要もなかったかもしれないけど。

走りそうになるのをなんとか速足程度に抑え、暗いトイレの個室に入る。

あの子からのメール、
朝から何にもなかった返事がやっと返って来た。

開いた光る画面に、待っていた名前が映し出される。

[カラオケしてるん?えぇなぁー、楽しそうやんか。って、ミリちゃん人見知りやっけ?(笑)合コンに人見知りが行ってもな~…まぁ、無理せんようにね。]

迷わず…返信

[酷いわ、そんなん…もうちょっと優しく慰めてくれてもえ~やん。アホー(笑)ちょっとだけ…頑張ってみる。]

少し迷って…送信

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