仮想友達

だとしたら、何を信じたらいいんだろう?

親も
友達も

自分を見せてないのに、頼ったり甘えたりなんか出来ない。

ただ…だからといって、無理やり自分を作ってきたわけじゃないし、故意に嘘もついてない。

それでも周りに隠して来てしまったのは…怖かったから。臆病で汚い自分を見せて嫌われたくなかったから。

強気な口調と、
周りに適当に合わせる柔軟さを武器にして出来たイメージの

【私】

が今、ここにいる。

―――突き当たり、さっきまで自分もいたカラオケの部屋。

嘘と、見栄が充満した部屋に私は入って行く。

誰にも相手にされていない
誰にも興味がない

この部屋で

貴女からのメールを、待ってるから。
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