仮想友達

表の顔

携帯を見つめて
ボーっとする。

いい感じのBGMに、
いい感じの店内。

ただ物思いにぼんやりするのに、これ以上良い場所はない。

返していないメールの中に彼女の名前を見つけて編集し出す。

すると、目の前の携帯が次の瞬間に…

消えた。

「ちょっと先輩ー、聞いてるん?亜衣のこと嫌いなんやろっ!!」

ガタン!!

椅子を立ち上がった大きな音に
泣きそうな瞳を見て

……思い出した。

「あー、ごめん。全く聞いてへんかったわ。」
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