仮想友達
忘れてた。
今日は一人じゃなかったんだっけ?

相変わらずのんびりと頭の隅で考えていると亜衣ちゃんが諦めたように椅子に座り直す。

私の携帯は

まだ彼女の手の中。

「いーもん、そんなんやったら亜衣がこの携帯預かっときますー。」

それは…困ります。

けど自称乙女の彼女は可愛らしくアヒルのように唇を尖らせた。
肩を越す長いストレートの髪の毛を指先でくるくると巻いて拗ねたようにする姿に笑う。

「ごめんて、ちゃんと話聞くから。今日はおごるし…な?」

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