加害者は俺、被害者は私。
「あの…すい…ません、俺…」
震えながら話す彼は、恐怖を見ていた。
彼も、加害者であり、被害者。
私がはねられたことによって、彼の人生も狂う。
「気に…しないで…下さい。私が…悪い、から」
吐き気をなんとか止めるため、私は区切って言葉を紡いだ。
「俺が…俺のせいで…すいません。本当に…すいません…」
彼は、一筋の涙を流した。
あまりにも綺麗で、みとれるほどの、白さ。
「あの…こっちに来てもらえますか?」
吐き気も忘れ、私は彼を呼んだ。
何をしたいのか、自分でもわからなかった。
彼は頷き、そっと足を進めた。
彼は、私の目の前に来ると、ゆっくりしゃがみ込んだ。
私は、ゆっくりと起き上がった。