加害者は俺、被害者は私。
♪〜♪〜
「「…?」」
何故かバイオリンの音が微かに聞こえ、私とゆーちゃんは顔を見合わす。
「誰かしら?」
「…うーん…」
「とりあえず、入りましょ」
シューッと自動ドアが開き、ゆーちゃんがホールの少し重い戸を開けた。
♪〜…
音が止まる。
「……誰?」
か細い声が聞こえ、私はゆーちゃんの後ろからホールの中を覗いた。
振り返る黒髪の…男。
「…楠 弾…?!」
その人を見て、突然ゆーちゃんが言った名前。
私に衝撃が走る。
よくある名前だとわかっていても…
「く…す…のき…?」
「…もしかして、お前が…珀か。僕は、楠 弾。楠 珱平の弟だ」
衝撃的なタイミングで、珱平の弟と逢ってしまった。