加害者は俺、被害者は私。

近付いてきた拍子に、私は珱平さんの髪をするりと触った。
滑らかで、カラーリングしてるとは思えない。

「えっ…なっ何?!」

いきなりでびっくりしたのか、珱平さんは私の左手を掴んだ。

「あっ…えっと…珱平さんの髪が、あまりにも綺麗で…触りたくなっちゃいました」

私は少し照れて、頬を染めながら笑った。

「………っ!」

珱平さんはスッと掴んでいた手を離し、ベットの端から、ベットの横にあるイスに座り直して後ろを向いた。

なんか悪いこと言っちゃったのかなぁ?

「反則。俺…我慢とか無理」

「え…?」

「あぁ〜もう…何それ、髪が綺麗で触るって…もう、何なの…」

「ごっごめんなさ…キャッ」

珱平さんは、私の方を向き、するりと私の黒髪に指を通した。



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