加害者は俺、被害者は私。
「も…大丈…だ」
「あ…有り…う…頼」
「あ…最善…尽く…た…が、右半身が上手く動かない…も…れ…い。でも、リハビリすれば、必ず歩けるようになる」
「…っ、もう生きていてくれるだけで、私は幸せですから大丈夫です。珀は、強い子ですから」
最初はあまり聞こえなかった声が、頭が覚醒してきたせいか、ちゃんと聞こえてくる。
でもそれは、あまりにキツいものだった。
……右半身が…動かない?
私は、目を開けられなかった。
意識を取り戻し始めた私は、瞼を開けようとした。
でも…この言葉で、その気力さえも無くしてしまった。
もう、私の右半身は動かないの?
リハビリしたって、前みたいには動けないんでしょ?
今の私にとって、この事故は、一番最悪の状況になった。
もう…大好きなピアノが弾けない。