加害者は俺、被害者は私。
音大に入ったのに…
まだまだこれからなのに…
私はもっと、ピアノが弾きたいのに…
悔しさに唇を噛む。
「珀?………ハクッ!!」
私の異変に気付いたお母さんが、先生との話しを止めて、駆け寄ってきた。
「目が覚めたのね…っ!!本当に…心配したんだか…ら。…どう…したの…」
血相を変えてきたお母さんは、私の涙に気付く。
「お…お母さん…」
「ん?」
優しい笑みを浮かべるお母さんが、歯痒い。
「もう、ピアノ…無理なんでしょ?」
私のその一言に、顔を歪ませるお母さん。
お母さんを悲しませたいんじゃない。
ただ…真実が聞きたいだけ。
私に、望みはあるの?