加害者は俺、被害者は私。
コンコンッ
「失礼する…よって…珀ちゃん?!どうしたっ!?」
秋頼先生が、様子を見に来に入ってきた。
勿論、私はベットの下に起き上がれずにいた。
「落ちた…わけではなさそうだね…口元が…はやく消毒しないと」
「すいません…先生、お母さんには言わないで。リハビリで怪我したって…言って下さい」
「しかしな「お願い…」
私の縋るような瞳に、秋頼先生は、ただただ悲しみを含んだ瞳を向けた。
「わかった。でも、誰にやられ…って…左手首が…」
「気付かれちゃいましたか…」
へへっと笑う私に、秋頼先生は怒りにも似たような瞳を床にぶつけた。
それはもう、凄まじく…
悔しさにも似たそれを…今だけ、床へと落としていた。