加害者は俺、被害者は私。
「秋頼先生?心配しないで下さい…私は、大丈夫」
フッと口元をあげる私に、秋頼先生は、やっぱり苦笑いだった。
「治療するよ?それと、明日から専属の看護師をつけるから…両腕使えないなんて…人の力借りないと、何も出来ないからね」
正直…悔しくなった。
私達が様々な人のおかげで生きていけていることは、わかってる。
でも、まさか私が…人に隣で助けられなきゃ生きて行けなくなってしまうなんて…
本当に悔しい…そして、ピアノへの復帰も…まだまだ遠くなってしまったみたい。
私の心には今、色んな悲しみが渦巻き、立っているのもやっとなくらいなのに、また…そんな悲しみに蓋をした。
二度出てこないように…頑丈に。