加害者は俺、被害者は私。
ほら、優しいでしょ?
「はい…でも、感謝は今しておかないとって…事故で身を持って学んだので…」
「そうよねぇ…感謝は大事だもの…しっかし、今日も彼は来ないのかしら…?毎日のように病室に来ていたのに」
「珱平…ですか?」
「ええ。あたしにも、よく挨拶してくれてたわ。だから、印象深くて…」
「そうですか…」
私の沈み具合をすぐに察したような眼差しで、大和は呟く。
「彼のこと…好きなのね?」
フフッと笑う大和さんに、ドキッとした。
私ってやっぱり、わかりやすいのかな?
「彼は貴女にとって、加害者という許されざる相手…でも、貴女は彼を、許せない相手だとは思えなかったのね」
にこりと微笑む大和さんに、ゆっくりと、私は頷いた。