加害者は俺、被害者は私。
* 珱平 *
「ねぇ、珱平?珱平さぁ〜被害者の病室に、毎日行ってんだってねぇ?」
ある日の夕方、突然…はるに言われた。
「何だよ…いきなり…」
「知ってるんだよねぇ〜フフッ…はるの為にバイトってぇのは嘘なんだ?」
不自然なくらい笑って話すはるに、俺は、
「だいたい、俺がはるの為にバイトしてるって、誰から言われたんだよ」
睨みを効かせて呟いた。
「………シンだけど」
「秦は冗談だったんだよ。あの秦だぞ?双子なんだからわかれよな」
珀のことを色々聞かれたくなくて、冷たくしてしまった俺に、はるはいつもよりも悲しげに眉を下げた。
「シンのことなんか、いつからかわかんなくなっちゃったよ…珱平のが好き過ぎて…」
小さく呟いたその言葉を、俺が聞き取れることはなかった。