加害者は俺、被害者は私。

「ほーらねぇ?やっぱり珱平が嫌いなんだよぉ」

これは、珀に会いに行かなくなって一週間ほどたってからのはるの一言。

絶対、他の何かの理由があるから連絡してこないんだ。

珀は、はるの言うような子じゃない。

「俺…確かめてくる」

「え…?!」

動き出した俺に、しがみついてくるはる。

「なんで?一週間も連絡無しってことは、珱平が必要無いってことじゃん!!」

いつになく、焦っているような顔を向けてくる。

「もし、珀が俺を嫌いでも、俺は珀が好きだ。事故の被害者と加害者だからって関係ねぇ。俺は、俺の気持ちに正直でありたいから」

「でも…はるは…「はるっ!!行かせてやれよ」

「シン…」

「はる…俺が聞いてやるから」

何のことだ?

「よう、行け。行ってこい」

秦は、強い瞳を向ける。

「おう…わかった」

俺も、その瞳に頷いた。



END




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