加害者は俺、被害者は私。

「……っ、く…」

泣き続けるはるに、珀はただ、優しい眼差しを送っていた。

「珱平?」

ふと気付くと、珀は俺に笑いかけていた。

「は…珀…」

言わないと…ごめんって。
気付けなくてって…

「珀、ごめん…珀の苦しみに気付けなかった」

「??苦しみ?私、苦しんでなんかないよ?むしろ珱平の方が苦しそうだよ」

ふわりと微笑み、俺を安心させる言葉をかけてくれた珀に、ツーンと鼻の奥が詰まったような感覚に陥った。

「珱平、なんでここに来なかったの?」

珀は、何も読み取れないような顔で、俺を見上げこう言ってきた。

だから、俺は全てを話した。
正直、恥ずかしかったし、情けないし…子どもみたいだし。
それでも、珀は、聞いてくれた。

病院に行かないことで、珀を試した…とか、連絡来なくて正直ムカついたとか、そして、自分にもムカついた…とか。



< 68 / 115 >

この作品をシェア

pagetop