加害者は俺、被害者は私。
「珱平が気にすることないよ。二人は、ずっと…自分の中で抱え込んで行くつもりだったんだから…この気持ちを」
悲しげに俯く珀に、俺は、小さく呟いた。
「なぁ…珀、お前も…やっぱ…健次さんのこと、今も想ってる?」
一番聞きたくて、でも一番聞けなかったこと。
「…………」
珀の返事を待つ俺の手には、汗が滲んでいた。
そして、胸の鼓動も高まる。
「……勿論けんちゃんのこと、今でも想ってる。でも…前はとっくに向いてるよ」
ふわりと微笑む珀は、輝いているようだった。
そして俺の鼓動は、違う意味で高まった。
「珀…俺、「はいはーいっ哉登さんが参りま〜す!!」
…………気持ち…言おうとしたのに…
邪魔された。
哉登さんって…優しそうに見えて、悪魔なんじゃ…?