加害者は俺、被害者は私。
「哉登さん…今、珱平が何か「それはまだはやいよー…うん、ネ?」
ウインクしてるのに、目の奥が笑ってない哉登さんに、何故か野生のカンが働いた。
"オレハ、ハクガスキダ"
そう言ってる気がした。
気のせいだよな…
「二人とも、何話してんだろうなぁ…珀ちゃん」
にっこりと珀に微笑みかけ、ベットに座る哉登さん。
近い…俺には近いと思う。その距離は…
「全てですよ。想いの全て」
"全て"と語る珀は、まるで未来を見通しているような目で、外の桜の枝を穏やかな顔で見ていた。