加害者は俺、被害者は私。
ん
入院して一週間、私の病室の部屋がノックされた。
私は、けんちゃんのことがあり、精神的に不安定で、リハビリは後にのばされた。
だから、静かに毎日涙を流すことが、習慣になっていた。
ノックがお母さんだと思っていた私は、涙を流しながら、窓の外を見つめ、返事をした。
「どうぞ」
ゆっくりとドアが開く。
お母さんって、すぐ挨拶してくるよね?
私は、ドアの方を向いた。
「あの俺、貴女を事故にあわせてしまった、楠 珱平です」
私の人生を狂わせた張本人が、目の前に現れた。
あの酷い記憶が蘇り、吐き気がする。
ただ、彼は固まったままだった。
そういえば、私は泣いていて…目も腫れてるし、充血してるし…最悪だ。