加害者は俺、被害者は私。

「何でそんなに親しい呼び方するんですか?」

私は直球で聞いてしまった。
もしかして…

「お母さんが好きだった…とか?」

と、私は秋頼先生の顔を覗きこみながら言った。

「………」

苦笑いする秋頼先生。

キィッ



ドアが開く音がしたと思ったら、

「珀…」

お母さんだった。

「…ごめんな。翠…知られちゃった」

知られ…?
秋頼先生がお母さんを好きなくらいいいのに。
遠慮してるのかな?

「いいわよ。もう…あたしから話すわ」

へ?
話すって…再婚の話しとかっ?!

私は心臓をバクバクさせながら、お母さんが口を開けるのを待っていた。



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