加害者は俺、被害者は私。

「珀。あたし達が出会った頃から説明するから。よく聞いておいてね」

「う…うんっ」

「あたしとアキは中学から一緒で、特にお互い干渉もせず、お互いを知らずに過ごしていたわ」

お母さんは、先生と顔を見合わせる。
ちょっと照れ臭いのか、先生は逸らしていた。

「で、高校は別で、あたし達は言葉も交わさないまま離れた。多分、本当はそのときから気になっていたのかもしれないわ。彼の存在を」

…お母さんも、好き…なのかな?先生のこと。

「そして、大学で再び出会った。そして…恋をした」

やっぱり。
何だかロマンチック…過ぎる。

「この前置きをしたんだから、今から言うこと…本当によく聞いて」

「?」

いつになく真剣な顔付きになるお母さん。

真剣な話し…かな?
でも、何の?
今の話しで終わりじゃ…?




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