加害者は俺、被害者は私。
「翠を俺に下さいませんか?」
「「はい?」」
まず、何語?
そしてかなり片言なんだけど…
「な〜に言ってんのっアキ、馬鹿ね〜アメリカに長く居すぎて、日本語話せなくなったんじゃない?」
「な…っ!そういうお前はどうなんだ。ったく…嬉しそうじゃないか」
「………う…うっさいわね」
何だか二人とも、初々しいな…
幸せそう。
私、嬉しいな…
先生が、私のお父さんになるなんて。
先生が、私の本当のお父さんだったなんて。
「……珀?」
「お母さん…おめでとう。私…嬉しい」
「…っ、珀…有り…難うっ!!」
涙ぐむお母さんの肩を、そっと抱く先生は、すごく穏やかに笑っていた。