桜舞う木の下で


「性格、変わったなぁ…なぁ?仁川」
「うん」
「俺、元々こうじゃないんですか?」


全然違うよ。
正反対。
意地悪で、でも、本当は優しくて…。


「違うし」


突っ込みっぽく言った瀬川先生もやっぱり寂しい顔をする。
だってさ、皆に質問。
一番仲良くしてた子がいきなり記憶が消えちゃって人格が変わったらどうする?
普通、嫌じゃない?
悲しくない?
泣きたくならない?
それをさ、泣かないでさ、ちゃんと受け入れてる瀬川先生って凄いと思うんだ。


「どんな感じだった?昔の俺、」
「教えてあげよっか?」


嫌みっぽく瀬川先生が言うと、教えて〜!!って甘えて…

さらに子供っぽくなったよね…

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