桜舞う木の下で


「よっしゃ、着いた!!」


先生と私の目の前には夏に見た桜の木が立っていた。


「麻衣ちゃん?」
「はい?」
「きっとさ、麻衣ちゃんの知ってる俺と、今の俺は全く違うと思う。だけど…昔の俺も、今の俺も記憶があっても記憶が無くても思ってる事は同じだから。」


先生の言葉に物凄い気持ちが隠ってたんだ。
それは、私が受け取るには勿体無いくらい大きな物。


「…仁川?」
「先生?」
「俺は…ここで待ってるから。…早く大人になれよ?」


久しぶりの先生口調。
改めて思った。
先生は先生なんだって。


「うん。」


ありがとう…
私を好きになってくれて…

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