桜舞う木の下で
「さっきから、ボーッとしてるけど、何か考えてるの?」
私が助手席に座ってドアを閉めると、隣から物凄いニヤニヤしてる先生が顔を覗いてきた。
「別に…」
私は、先生の顔を見ないで答えた。
なんて言うか…
見たら見とれるから。
「顔真っ赤だし!」
ってケラケラ笑われた。
先生?今日が、一緒に居られる最後の日なんだよ?
なんでかって…
先生は、これから理事長さんになるために勉強に集中しなくちゃいけないから。
「麻衣?」
「ん?」
「今日は、いっぱい楽しもうな!!」
って頭撫でられた私。
先生…好き。
付き合ったから、彼女になったからとか言ってお前の事好きなのって当たり前じゃん、みたいな考えは嫌だ。