桜舞う木の下で


「理事長になるならネクタイでしょ!!」


愛ちゃんの中では理事長=ネクタイらしい。

種類が色々あって、何が何だか分からなかった。


「湯沢先生に合いそうじゃない?」


って愛ちゃんが持ってきたくれたのは、灰色っぽいネクタイ。
授業中の時は、よく灰色のネクタイをつけてたよね…?


「どう?」
「似合いそうだよね…瀬川先生には買わないの?」
「…優人は…香水だし。」


瀬川先生は、毎回学校に香水をしてくる。
愛ちゃんは、その香水の匂いを変えるとか言ってるんですけどね…。


「これにしよっかな?私は…」


それは、最初に愛ちゃんが差し出してくれた物だ。
派手なネクタイが多い中、これだけが唯一灰色だったから。

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