桜舞う木の下で
宝物゚*愛美side*゚
卒業式が終わって、麻衣は、行きたい場所があると言った。
私もある。
私は、そう言ってあの場所に行った。
中学校舎の後ろにあるバスケットゴールに向かった。
優人と会わなくなって、連絡とらなくなって2年という歳月が経つのに、寂しさとか、そんなものはない。
優人が近くに居てくれる気がして。
困ってるときでも、笑って、愛美なら大丈夫だからって、そう言ってる気がしたから。
「…ゆ…うと…」
「…泣くなよ、俺は…」
「…え?」
「…ここにいるから…逃げないから」
聞き覚えがある声。
恐る恐る後ろを振り向くとそこには…