桜舞う木の下で
「は?」
「バカって…」
「…」
少し時間が空いた後、瀬川先生が爆笑しだした。
「隆祐…顔真っ赤」
笑いながら言う瀬川先生にちょっと腹がたった。
「隆祐、バカって言われてどうだった?」
「嫌じゃなかった…」
「ふーん…。」
真剣な顔で俺に問いかける瀬川先生が今、何かいった気がしたんだ。
「ねぇ…先生?」
「ん?」
「麻衣は良い子だよ。」
西川は、そういうと瀬川先生に寄りかかった。
俺も、それは知ってる。
言うこと聞いてスッゴい良い奴だと思う。
でも…たまに意地っ張りになって…
「知ってる。」
「なぁ、隆祐?」
「ん?」
「…やっぱり何でもねぇ」
瀬川先生は俺の兄貴みたいな先生。
何するにもカッコよくて…俺の憧れ。
瀬川先生…
俺は…好きなんかじゃないよ。