桜舞う木の下で
後ろを向くとニヤニヤしながら弄ってくる瀬川先生の姿。
「バカが見えて。」
「麻衣ちゃんかぁ。」
「は?」
何で瀬川先生が知ってるのかが俺には分からない。
「でも、目立つに目立っても…お前あんまり笑わねぇよな?」
真剣に質問してくる先生。
「ですね。」
俺は素っ気なく返した。
俺は気付きたくないから。
お前を常に探してるって事を。
認めたくもないから。
たまたま彼奴が目に入ってくるだけだよ。
「新入生退場」
入学式も無事に終わり残りはHRだけになった。
俺が体育館から出ると一人でくるくる回ってるバカな女の子がいた。