桜舞う木の下で
俺が来たかった場所とは、ある丘の上に一本だけ綺麗にたってる桜の木を見に来たかった。何でかって、俺が小さい頃からずーっと遊んでた場所だから。
「木だ…」
「あぁ…俺の思い出の木かな?」
「ふぅ〜ん。」
仁川は、それ以上何も言わなかった。ただ、木を見てて…学校じゃみないくらいの大人びた顔だったんだ。スッゴく綺麗で…
「先生?」
「ん?」
「今言うつもり無かったんだけど…昔ね瀬川先生に言われたの。本当に好きな物や人は気持ちを早く伝えないと逃げられるよって。」「…」
「先生…私、先生が好きだよ?卒業するまで待つつもりだったけど…これも想い出に残して欲しくてさ…」
一生残るよ。
お前が望まなくても。
「うん…知ってた。」
「…」
「だけど…今は無理だ。高校生だからとか嫌いだからとかじゃない。」