桜舞う木の下で


「やり直したい…」
「でも…」
「あぁ…一応実家に帰んねぇとな…帰ってきた後に気持ち、もっかい伝えるしかねぇな。」


瀬川先生の実家は大阪にある。
瀬川先生の家は俺と同じように大企業を営んでいる。
しかも、俺より厳しい家っぽいから、西川が瀬川先生の奥さんになるなら、ただならぬ知識が必要とされてくる。


「先生…俺さ、仁川にコクられたんだけど…振った」
「なんで…?」


瀬川先生は驚いた顔をして問い掛けてきた。


「そろそろ継がねぇといけないし、彼奴を彼女として置いたら、迷惑かかんだろ?仕事が慣れてきたら迎えに行く。」
「そっか…」


否定もせず、ただ頷くだけの瀬川先生。


西川?
お前をこんなにも必要としてる奴がいるんだよ…
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