恋愛倶楽部 -love-
あたしが黒蓮華に加わったのは、ただ亜蓮と距離を置きたかっただけ。
不良になりたいとか、ケンカがしたいとか、そういうんじゃない。
ましてやナンバーワン不良グループになろうだなんて考えは、これっぽっちもなくて。
けどグループに入ったからには、やっぱりケンカは避けられぬ道。
ま、あたし自身強いほうだから、別に護衛とか必要ないんだけどね。
「弓道部かー、可愛いコいないかなぁ」
て、ちょっと!
「奏斗?目的はあくまでもメンバーを呼びに行くことだからね」
「わかってるってー」
絶対わかってないよ、こいつ。
護衛という立場を利用した可愛い女の子探しだよね、コレ。
あーぁ。
「いっぺん天に召されればいいのに」
「ん?何か言ったか?」
「べっつにぃ〜」
ため息混じりな会話の途中、だんだん命中する音が大きくなる。
弓矢が的を射る音だ。
「ぼーたーんー」