恋愛倶楽部 -love-
もう校舎を出ちゃったの?
それにしては早すぎじゃない?
それとも、まだ校舎内のどこかにいるのか。
迷った挙げ句、あたしはローファーに履き替えて昇降口を通り抜ける。
視線をあちこちへと回転させながら、学校の敷地内をぐるぐると探索してみることにした。
探索と言っても、寿羅が通りそうな場所を彷徨いてるだけなんだけど。
こうやってるうちに、偶然出会えたりしないものかね。
淡い期待に身を任せ、正門ではなく裏門へ足を進める。
確かそう、あいつの帰り道はこっちの門をくぐってから始まるんだ。
だから絶対ここを通過する。
そしてたどり着いた裏門で、塀に寄りかかり腕を組んで寿羅を待つこと数分。
………来ない。
なぜに来ない?
もう帰っちゃってた、なんてオチは誰も求めてないんですけど。
だんだんイライラしてきて、落ち着かなくなって同じ場所を小さく往復。
そんな頃、突如背後から車のエンジンの音が聞こえた。
何事?
よく見れば、それは真っ赤な車でナンバーは……716?
ヤバい、すごい。
7月16日、あたしの誕生日。
語呂合わせすると“七色”になる数字だ。