恋愛倶楽部 -love-
そのナンバー、あたしも将来車買ったら使いたいな。
願望を心に秘め、車を凝視しているとほぼ同時に開いた両側のドア。
そっか、車って人が乗るもんだもんね。
凝視してたあたしって、乗客からしたら相当不審者じゃん。
だけど怯むことなく、まだ見てしまう。
むしろ、見ざる終えなくなったという表現のほうが正しいかもしれない。
「ランちゃん、お出迎えしてくれるなんてサイコー」
車から降りてきたのは、髪が不自然にも棘の如くツンツン突っ張った男。
ブドウジュースみたいな髪色させやがって。
喉乾くじゃねぇかコノヤロー。
継いで現れたのは
「噂通りのパワフルガールね」
誰ですか、このあたしとは比べものにならない豊かな胸の持ち主は。
腰まであるサラサラな髪は、まるで波打つ海のよう。
こっちは青い髪色だ。
実に奇抜。
いきなり姿を現した2人組み。
しかも、あたしを知っているらしいときた。
新種の詐欺ですかね?
「ランちゃん、俺、紅珠沙リーダーのケンね」
近寄って耳元で囁かれた内容によれば、ブドウは紅珠沙のリーダー………って、はあ!?
紅珠沙!?