恋愛倶楽部 -love-
「あたしは、あんたたちには協力できない」
きっぱり言い切ると予想通り。
「なら、力ずくで奪っちゃうけどクレーム受け付けないからよろしく」
間近にいたケンの顔つきが、明らかに違うものになった。
紅珠沙は、闇紫苑と何か関係があるの?
もしあるのなら、あたしの知らないところで何が起こっていたの?
場合によっては考えなくちゃいけないと思った。
あいつ──亜蓮に会うってことも。
「痛いっ、放してよ!」
勢いよく腕を掴まれ引っ張られる。
春海と名乗った女は運転席へ。
待てよ、運転できるってことは春海は学生じゃないのかもしれない。
いったいこの人たち、何が目的なの?
この状況、もし車に乗せられたりなんかしたら大変だ。
「ヤダ、やめてってば、もう。
放せコノヤローっ!!」
必死の思いで叫び、蹴りを入れてやる。
ナメんじゃねぇぞ、この蘭ゆずゆ様を。
「きゃっ!」
果たして、調子に乗ったのがいけなかったのか。
ブチギレ寸前の相手に蹴りを入れた瞬間、片足を引っ掛けられて見事転倒。
くそっ、地味に足擦りむいた。