恋愛倶楽部 -love-



「あたしは、あんたたちには協力できない」


きっぱり言い切ると予想通り。



「なら、力ずくで奪っちゃうけどクレーム受け付けないからよろしく」

間近にいたケンの顔つきが、明らかに違うものになった。



紅珠沙は、闇紫苑と何か関係があるの?

もしあるのなら、あたしの知らないところで何が起こっていたの?



場合によっては考えなくちゃいけないと思った。

あいつ──亜蓮に会うってことも。





「痛いっ、放してよ!」

勢いよく腕を掴まれ引っ張られる。



春海と名乗った女は運転席へ。

待てよ、運転できるってことは春海は学生じゃないのかもしれない。


いったいこの人たち、何が目的なの?

この状況、もし車に乗せられたりなんかしたら大変だ。



「ヤダ、やめてってば、もう。
放せコノヤローっ!!」

必死の思いで叫び、蹴りを入れてやる。

ナメんじゃねぇぞ、この蘭ゆずゆ様を。



「きゃっ!」

果たして、調子に乗ったのがいけなかったのか。

ブチギレ寸前の相手に蹴りを入れた瞬間、片足を引っ掛けられて見事転倒。



くそっ、地味に足擦りむいた。






< 119 / 432 >

この作品をシェア

pagetop