恋愛倶楽部 -love-
再び部室に戻ってきた頃、きっと今しか言えないからと伝えたお礼。
なのに
「別に、おまえのためじゃねーよ。
つーか、重い……」
「失礼な、そっちの体力不足が原因でしょ」
結局最後は言い争いになるわけで。
部室に着けば着いたで
「寿羅……川に流したい」
風音の暴走を食い止めるのに苦労した。
騒がしい部室。
いつもの雰囲気。
ごめん、みんな。
そんな楽しい雰囲気を壊しちゃったのは、あたしだ。
「蘭さん、その傷誰にやられたの?」
鋭い黎緒先輩を誤魔化せるはずもなく。
「……アロエのブドウが」
「ゆゆ、足じゃなくて頭怪我したんじゃね?」
「奏斗さんの意見も一理ありますね」
「ないから!」
ひとまず、みんなに話さなきゃだよね。
紅珠沙のことも、闇紫苑のことも、これからあたしたちがどうするかも。
何も知らない寿羅にも、助けてもらった以上説明しなきゃ。
巻き込む形になっちゃって申し訳ないけど。
「紅珠沙の人たちに、闇紫苑を壊そうと話を持ちかけられました」