恋愛倶楽部 -love-
はっきりと、そしてズバッと告げたあとに訪れた静寂。
なぜ黙る?
驚いているのか、そもそも気にしていないのか。
「ねぇみんな、なんで黙りこくってんの」
あたしが問題発言したみたいな空気になってんだけど、どういうこと?
「じゃあ、紅珠沙の人に襲われて傷つくっちゃったんだ?」
全員を順々に見回していると、まず黎緒先輩が口を開いた。
「襲われ…って、誰それ。
ゆゆを傷つけるなんて、ボク許さないよ」
次に風音が頬を膨らませて、あたしの近くへやって来る。
「どうしてゆずゆちゃんのところに来たんでしょうか」
さらに牡丹は疑問を投げかけ
「よりによって闇紫苑かよ」
奏斗は低い声で呟いた。
あたしのところに来た理由、か。
結局、忘れようとしても忘れさせてくれないんだね。
紫の菊の花。
「あたし、紅珠沙と関わる気なんて全然ない。
けど、闇紫苑に危害を加えたくない」
自分でもわかってる。
すっごく自己中で、すっごく矛盾してるってこと。
紅珠沙に関わらずに闇紫苑だけを守ろうだなんて無茶だ。
それにあたしが協力を拒絶したことで、これから何をされるかだって謎。
もしもあたしの身近にいる大切な人たちにまで、被害が及ぶのなら………
「みんなにお願いがあるの。
黒蓮華、解散しよう」